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里地里山保全活動とは?
(財)イオングループ環境財団と里地ネットワークは、1999年4月から2002年3月までの3年間、全国20ヶ所の里地里山保全活動を行っています北海道から沖縄まで、まったく異なった風土と文化をもった土地で、その土地固有の課題を背景に保全活動を行いました。全国各地で行われて保全活動に、いくつかのヒントを提供できることを願って、この活動を行っています。
里地里山と山
私たちの保全活動では、遥かな山、奥山、山、里山、里、の5つに里地里山を分けて保全活動を行っています。
「遥かな山」は、もののけ姫でいう獅子森。神の宿る聖なる山です。屋久島や白神山地の一部の人以外は忘れ去ってしまった畏怖や敬意の人が立ち入ることが許されない神聖な山です。大型野生動物のサンクチュアリーでもあります。
「奥山」は、さまざまな神が宿る信仰の地。山の神、水の神、地の神の山で、汚すことが許されない山です。人にとっては、水源や治山の山で、野生動物の繁殖の場でもあります。
「山」は、原生林や自然林、山里の人々が自然の恵みを受けて暮らしてきた狩猟採取の山です。現在ここは手入れされない人工林になっています。
「里山」は、薪炭林と落ち葉かきの山です。縄文期以降、農耕と一体となって使われてきました。
「里」は、畑や水田、家屋敷があるところです。
この里と里山は、人が完全に管理することでできあがった世界に類を見ない程、複雑で多様な自然環境が維持されてきた空間です。現在は過疎化と近代農業の発展で、ここ50年この環境は大きく変わりました。
今、私たちにできること
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おじいさん、あばあさんからその土地ならではの里山の暮らしと自然との関り方を現場で学びましょう。 |
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継承されてきた文化と智恵を、ヨソモノも含めて地区住民全員で継承しましょう。 |
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地域固有の文化と智恵を、人づくり、ものづくり、地域づくり、ツーリズムに活かしましょう。 |
山と里には
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奥山では、かつてあった樹木を残して山づくりをしましょう。 |
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山では、杉やヒノキ、松などの人口林は、除間伐を行い強い山を造り、良い木を育てましょう。 |
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里山では、萌芽更新されるように、木を切り、燃料や椎茸栽培、木工等で暮らしに役立てましょう。 |
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里では、落ち葉堆肥をつくって、循環型の農業を行いましょう。 |
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草地、草原では、放牧や野焼きによってさまざまな生き物がすめる環境を維持しましょう。 |
豊かな自然をとり戻すためには
水辺から森へ、森から水辺へと向かう水平方向の緩やかな変化が、両性類を初めとする全ての生き物たちにとって一番大切な生存環境です。もちろん、子どもたちにとても大人にとっても、この緩やかな変化がある場所では、様々な生き物と共に心豊かな暮らしが営まれてきました。コンクリートの川に接する手入れされないヤブでは、植物も動物も暮らしてゆけません。人にとっても危険区域になってしまいます。この人工環境を、自然が創りだした、かつての環境に復元しましょう。速い流から徐々に緩やかな流れ、浅い流れ、大石から玉石、砂利、砂、粘土、土、草花、田畑、里山、山、奥山へと向かう緩やかな変化をもった自然環境への復元です。
私たちの里地里山保全活動は、里地里山の文化を継承し、21世紀の人と人、人と自然の共生を問いかける活動です 。
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