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1段、2段…9段目まであがると青い海が見える。子どもたちの大切な遊び場だ。一度登るとなかなか降りてこない。途中まで降りて、また、登ってゆく。どうやら、じゃんけんで陣地取りの遊びをやっているようだ。このジャングルジムは、もちろん、稲をかける道具だ。しかし、ちょっとやそっとのことでは壊れそうにない。一度設けると10年はゆうに解体も補修もせずに使いそうな雰囲気だ。縦軸には、地面と接しても腐りにくく粘りがある栗の木。横軸は、まっすぐで細長い杉の木が使われている。この稲架(はさ)の柱は、隣の巨木にがっちり固定されているから、子どもたちが遊んでもへいちゃらだ。同じ地区の集落の中では、興味深い杉の木が並んで立っていた。海に近いから防風林や砂防林だろうと思って、集落のおじいさんに聞いてみると、干しものをするために、一間半おきに先代が植えた杉だという。直径が十数センチの時には、真竹を横軸に渡し、二十センチを超えてからは、十センチ程の杉を横軸に渡せば、維持管理が楽だからといっていた。なるほど、集落の中は干す場所も、稲架を立てる場所も限られているから、屋敷林のように植えたとは、なかなかの智恵者だったようだ。 |
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