(1)ヒルカ・テラピラ
フィンランドの調査の旅は、この国の女性活動家のリーダー的な存在でオルターナティブ・ソーシャル、オルターナティブ・エコノミーの研究者でもある、ヒルカ・テラピラとの対談から始まりました。彼女も、ノルディック・ネットワークの構成メンバーの一人です。また、英国で読んでいた『REBUIDING
COMMUNITIES-EXPERIENCES AND EXPERIMENTS IN EUROPE-』という、新しいコミュニティ形成の試みに関する本で、フィンランドの農村地域でのビレッジ・アクションに関しての執筆者でもありました。これは偶然でしたが。
彼女は、フィンランドのボトムアップ的な動向や、オルタナティブな動向に関して昔から詳しく、国際的な活動も数多くしている。彼女からは、後で紹介するビレッジ・アクションの活動に関しての情報を得た。また、彼女の専門としている女性のジェンダー的な役割と評価に関しての社会・経済的な価値転換に関する講義を受けた。ヘルシンキ等への大都市への人口集中に関しては批判的であり、それは一方で農村社会の疲弊化を招くわけである。
彼女のテーマは、女性のシャドーワークに関する問題。しかし、シャドーワークという言葉は嫌っていた。資本主義的な金銭の経済に入らない仕事が社会の半分の仕事としてあり、これをどう評価し、社会的に位置づけていくかが彼女の関心事のようである。フィンランドの女性の社会的な活動に関しての大きく関わっているようだ。先週も女性の活動家の大会に出席していたらしい。資本主義の主流の経済とは異なる別の経済のあり方について考えている。また、LETSに関しても関心が高いようだ。ただ、現在、フィンランドではLETSは数えるほどしかないという。