はだの間伐材活用デザインコンテスト 第一次審査
はだの間伐材活用デザインコンテストの第一次審査が行われました。
このコンテストは、森と木と里地里山との新たな関係の構築に資するため、
平成22年全国植樹祭の開催地の一つとなっている秦野を舞台に開催しました。応募要綱はこちらhadanoDC.pdf - 2.3
MB
今回の第一次審査はデザイン審査で、図案・コンセプト・作品の説明を募集しました。
全国各地(北は北海道、南は福岡)から、里山部門約110点、記念品部門約120点、また小中学生から約380点(里山部門約300点、
記念品部門約90点)が集まり、急遽子ども部門を設けました。
寄せられた作品は、身近に利用できるものから芸術的な作品まで、また光や音を取り入れた作品、コンセプトがよく練られた作品、
大勢で一緒に作ることも可能な作品など、斬新で魅力的なものが多数寄せられました。審査員がコメントしながら吟味し、記念品部門3点、
里山部門5点、佳作4点、子ども部門4点を選考しました。
今後、試作品制作、第二次審査を経て、来年の植樹祭で本制作となります。募集から制作までのプロセスも、 間伐材活用と里地里山活性化の一手法として記録していくとよいとの講評もありました。
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審査員
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宮林茂幸 東京農業大学・美しい森林づくり全国推進会議
南雲勝志 ナグモデザイン事務所、全国スギダラケ倶楽部代表
若杉浩一 (株)内田洋行 テクニカルデザインセンター
環境省 里地里山保全専門官鬼塚委員(紙面参加)、同専門員板垣委員
神奈川県 全国植樹祭推進室下元室長
秦野市 高橋副市長
はだの里山保全活動団体等連絡協議会 古谷会長、関野副会長
*欠席:林野庁
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入賞作品
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<記念品部門>
■ジャムベラ(佐野正明・智子(愛知県名古屋市))
使い勝手がよく樹種を様々にすることで木の香も楽しめ る品物になりそう、との評価がありました。また
「JAはだの産ジャムとセットにする」「パッケージに愛川の海底和紙を使う」等、
こちらの地元のことが調べてありコンセプトに盛り込まれていたことも好評を得ました。
■My箸&竹製箸ケース笛(鈴木栄史(音楽家 民族楽器演奏・作曲)(千葉県一宮町))
音楽家からの応募作品。複数応募がみられた「マイ箸」の提案の中で、ケースに楽器の機能をもたせて組み合わせたユニークさが評価されました。
■animal prop(石井聖己(京都府精華町))
シンプルな作りでありながらデザインが施され、身近なところでの実用性もあり、
樹種を様々にすることで木への親しみがわくという点が評価されました。
<里山部門>
■竹取物語(CUT(Chiba University Team)代表者 和田彦丸 千葉県我孫子市)
チーム員 牛島隆敬、渡辺剛士、生出健太、奥村真倫子、郡司圭
明かりにはLEDを使用する提案。危険がなく幻想的な雰囲気が演出でき、ナイトイベント等に活用できる、竹林は伐採整理の必要性があるので、
このような利用をしてから伐採するとよい、といった評価がありました。
■街を見下ろす丘で(CUT(Chiba University Team)代表者 和田彦丸 千葉県我孫子市)
チーム員 牛島隆敬、渡辺剛士、生出健太、奥村真倫子、郡司圭
間伐材をたくさん使うことができる、比較的容易な作業でベンチが作れる点が評価され、
特に主催者であり里山保全活動の実践者でもある連絡協議会の審査員から好評が得られました。
■竹ちぐら(高橋慎一郎(土の空間工房Sobato) 東京都杉並区)
土を使った建築物のプロからの作品。簡素な竹の骨組み、屋根を土で磨きあげる構築物の提案は他に無く、
里山の景観にもとても合いそうであること、里山での実用性があること、皆で作るイベントも検討できる等の点で評価されました。
■Bamboo Wind Cage(鈴木栄史(音楽家 民族楽器演奏・作曲) 千葉県一宮町)
音楽家からの作品。伐採した竹を使うことで、空間全体が楽器のように音色を奏でるユニークさ、斬新さなどが評価されました。
■するー(through)(小山和則 千葉県我孫子市)
里山の中のアート作品としての芸術的な感覚や、形を変えるなど表現に工夫を加えることができ、
実際に秦野で作る際に創造の余地がある点等が評価されました。
<子ども部門>
■マルタンじいさん(長嶋海斗 秦野市立鶴巻小学校)
子どもらしい斬新で大胆な発想、木を横向きに擬人化した印象的な絵、ネーミングのうまさ、
説明欄に書かれた森林整備についての理解と思いやり等が評価されました。
■木ー君 木ーちゃん(栗原利奈 秦野市立末広小学校)
木に親しむという意味で、シンプルで分かりやすいキャラクターとネーミングが評価されました。
■木のはちかざり(石井瑞稀 秦野市立東中学校)
余白一杯に書かれたコンセプトがしっかりしていて、森林のことを丁寧に考えている、心がこもっている、という点が評価されました。
■輪ゴムじゅうのまと当てゲーム(柳川雄貴 秦野市立末広小学校)
実際に子ども達の遊び道具として利用することで間伐材に触れる機会がふえ、楽しむことから森や木の理解にも繋がるという点が評価されました。
<佳作>
■開いたり閉じたりするツリーハウス
(浅野泰弘、阿部未希子、古橋花奈(株式会社浅野デザイン研究所)東京都品川区)
安全性の観点で佳作となりましたが、複数あったツリーハウスの中でも他にはない機能が付加され、
木の実の形をツリーハウスに応用したデザイン力が大変高く評価されました。
■SUGI FLYER-杉車-
(庄司光宏、尾花隆 神奈川県藤沢市)
台車として使えば市内の施設でも実用性が十分あり、ぬくもりのある身近な道具になる点が評価されたました。
■マ ルタフェンス
(北野和男 神奈川県藤沢市)
板でなく丸太を並べた、ありそうでなかったフェンス。丸太の輪切りは人気があるので植樹祭での掲示ボードとして使用できる、
との評価がありましたが
強度や移動時の利便性などから佳作とさせていただきました。
■「自然素材でつくるツリーハウス」「間伐材によるジャングルジム」「竹と泥でできた家」
など女子大生と共につくる楽しい制作
榎本文夫((駒沢女子大学人文学部空間造形学科 榎本ゼミ) 東京都稲城市)
参加者:伊藤結、上田彩香、内海実季子、大澤明日香、齋藤恵里子、中野彩子、樋口祐麻
榎本研究室からは学生各人からも作品を応募いただき様々なアイディアをよせていただきました。
2009年05月20日 [レポート]