森里川海フォーラム | 市民連絡会 | メンバー | 団体登録案内 | 森里川海 | 森の再生 | 里の再生 | 川の再生 | 海の再生 | イベント案内 | リンク | 関連法案

« 森の健康診断 (清藤 奈津子) | TOP | 第2回 森里川海フォーラム 12月16日 13時~17時 (神谷町)のご案内 »

港湾、河川における自然再生と里地里山自然再生の違い

横浜国際ワークショップ  「東京湾の生態系の再生をめざして」 甦るかアマモ? 

横浜から発信するトウキョウ・ベイ・プランが開催されました。    

2 005年11月25日(金)~27日(日)はまぎんホールヴィアマーレ
主催:横浜学術教育振興財団 / 東京湾統合沿岸域管理研究会
共催:横浜市立大学/ IOI Japan/ (独)港湾空港技術研究所/金沢八景‐東京湾アマモ場再生会議

この中のポスターセッションで、掲載された事例の内、里地ネットワークのパネル(メッセージ)を掲載します。
後日、13事例を入手できましたら、掲載したいと思います。

横浜国際ワークショップDSC04451

横浜国際ワークショップDSC04452

 

 

 

 

 

横浜国際ワークショップDSC04454

 

 

 

 

 

以下は、「里地ネットワークと地元学」パネルの掲載文です。

【里地里山のフィールド特性】 
フィールドは、海でも、川でもなく、里地・里山です。里地里山はどこかというと、奥山ではなく、都市でもない、 その中間にある農林漁業を行ってきた場所です。
例えば、佐渡でトキの野生復帰(環境省)を行なったり、神奈川県の里山づくり(環境省、神奈川県)を行ったり、 福井県越前市でアベサンショウウオの保護活動(福井県、越前市)を行うなど、全国各地で、さまざまな保全・ 再生活動に関わる取り組みを行っています。
今回はその仕組みの中でも骨組みにあたる部分を簡単に紹介します。核となる骨組みは、人と人との共生とは何かを問うことです。人の生き方、 里地里山での暮らしのあり様や、人と自然との関わり方を問い直す作業です。
保全再生活動への参加の呼びかけ方は、河川や海浜、港湾と異なり、里地里山は、公有地ではないため、やや、 海辺の再生とはことなる手法で行っています。
活動フィールドは常に、私有地、農地や民有林です。このことは、行政が、主導的に事業を行なう公共政策であっても、 私有地上での活動ですので、地権者の意図が、政策の方向に合っていなければ、何も行えないというのが里地里山の現状です。
言い換えれば、都市住民が、個人宅や敷地内で行う活動に関して、行政は、庭づくりや間取りの取り方への指導をしにくいように、農地、 民有地の活用方法に関しては、地権者の生き方、考え方の制約の上でしか、自然再生活動はできないことになります。
したがって里地里山での、もっとも効果的な自然再生活動は、農家、林家、地権者自身が、自然との関わり方を、 生態系に配慮した形に変えていってもらうことです。


【地元を見つめ直す地元学の重要性】
あなたの住んでいる地域は、どんな地域ですか?
あなたの足元、あなたの住まいの周囲には何がありますか? あなたの家の水は、どこから来て、どこへ流れてゆきますか?  あなたの田んぼや水路、雑木林には、生き物がたくさんいますか? 住民自身が、足下から、そして、自分の家の水源から、 集落を見直してもらう作業を、里地ネットワークでは行っています。
対象地域の範囲は、ひとつの集水域です。その集水域が、集落であれば、非常にわかりやすい範域となります。もっと広くとらえれば、 その集水域は、河口を原点として、そこに水が集まってくる範囲です。もっとも小さくすれば、小さな沢の集水域です。その範域の中の、 人々の暮らし、地形や風土、生き物、道具、文化などを調べてゆきます。調べる際に、住民全員と地域外の異なる文化をもった人が、一緒に、 地域の見直し作業を行うことで、日常的な見ている地域の特性が、外部者によって、際だち、光が当たり、 宝物や資源として認識されるようになります。

【生物多様性の観点】
生物多様性の観点から考えると、さまざまな生き物が身近にいるということを意識してもらうことが大切です。生物多様性への関心が低い場合は、 こどもたちや、孫が遊べる環境を例にとると、結果的に、生物多様性を考えることと同じ結論を導くことができます。同時に、身近にある衣食住、 農作物、民家、道具、狩猟採集の方法とか、山菜、燃料、薪の活用方法などを意識してもらうことで、 暮らしのありようと生物多様性との関係を意識してもらうことができます。
大切なのは、戦前であれば、当たり前だった地域の中での循環のしくみや、自然と調和していた暮らしが、今、 どうなっているかを調べることです。
よそものの目(専門家:米の流通業者、生態学者やデザイナーなど)を入れて、例えば昔の中の知恵がどこまで生きているのか、 その辺の知恵を全部住民が意識するというのが第1ステップです。

【住民全員で調べると暗黙の合意形成が完了します】
地域住民全員で、地域を調べることの意味は、地域の過去から現在までの情報は、わかっているようで、わかっていないことです。人によって、 非常に情報のアンバランスが生じています。地域の情報を、一旦全部、そこに住んでいる人たち全員で共有することが、何よりも大事です。 里地ネットワークでは、集水域の全部確認すること、飲み水、井戸の位置を確認すること、村の今までの生活とか、生業、産品、何がとれるのか、 どこで遊んでいたとか、どんな結いがあるのか、1年間の農事カレンダー、集落行事はどうなっていかなど、その一部を調べてゆきます。

【地域資源マップと資源カード】
このような地域資源調査を通じて、地図をつくり、先人たちの知恵をカードに聞き書きする作業を行います。この過程を通じて、 地域の中の人が地域の内発的な意思を持ってきます。つまり、地域の人たちの内発的な意思に基づいた内発的なビジョンが完成します。
 このような作業を「地元学」と言っています。地元学自体は目的を持った事業を遂行するための手法ではありません。 さまざまな人がかかわって、さまざまなアイデアが出て、そのさまざまなアイデアの広がりを事業化していくことによって、 その1つの地域を地域住民の自発に基づいて事業を進められてゆきます。

【持続可能社会 第三のシナリオへのステップ】
外発的な刺激で、何らかの活動が起こると。活動はステップアップします。ただし、そこに住んでいる人全員の参加するようなしくみがないと、 地域全体には広がりません。地域社会の見直しをかけて、その地域社会の中で、自発的な再生活動を行ってもらう取り組み方法で地域社会、 コミュニティーの再生が必要です。

【ポイント】
長老たちが考えている方向と今、国が、いろいろな機関が考えている再生って、スタンスは同じだと思います。

【ポイント】
過去の因習や封建的な構造を固守しようとする地域、政治のあり方は封建的な地域は、なかなか、地元学になじみません。しかし、 地元学で壊す必要もあるかもしれません。

【ポイント】どこの段階をその地域が目指すかは、例えば14あれば14通りで全部違います。望む自然再生のシナリオも違うであろうし、 主人公も違います。外部者に期待する割合も違います。ですから、地域によって、そこにある風土が違うのと同様に、住民(主人公)が違い、 関係する人、交流する人も違います。自然再生の仕上げは、そこに残る地域リーダーに対するサポートです。 そのサポートのシナリオや手法は既にあると思います。ニーズは確実にある。今は、先進的なモデルを作りきること、そうすれば、 行政側の支援も助成財団の支援も、大学の支援もあると思います。


 

2005年12月03日 | 森里川海