森里川海フォーラム | 市民連絡会 | メンバー | 団体登録案内 | 森里川海 | 森の再生 | 里の再生 | 川の再生 | 海の再生 | イベント案内 | リンク | 関連法案

« 愛知県で「里山保全計画の策定手法」ワークショップ 11/23(祝)を行います。 | TOP | 西日本科学技術研究所のデータベース »

角川里の自然環境学校(山形県戸沢村)

秋の2泊3日 戸沢村から呼ばれて、角川里の自然環境学校に行きました。 せっかくの秋、紅葉の季節なので、エコツアー体験モニターとして、(財)水と緑の惑星保全機構の事務局の美帆ちゃんをつれて、 来年度から戸沢村で始まろうとしているエコツアー、グリーンツーリズムの予行練習と今後の村づくりの方向性の調査を合わせて行ってきました。

IMG_0123 IMG_0064 IMG_0210

角川のブナ林、集落から150m登った里山と紅葉の美しい奥山。この散策道は、昨年、勇士等で整備して通れるようになりました。

IMG_0266 IMG_0357IMG_0340

四カ所のビオトープを回って生き物観察をしました。保全を進めるビオトープ、こどもたちが夢中で駆け回る農村。 遊びや暮らしが景観を作り始めています。

 IMG_0342 IMG_0201 IMG_0069

川の中でタマアミをいれたら入ったカジカや、散策中に手にとまったテントウムシ。

IMG_0059 IMG_0088IMG_0086

里山の中で、くず細工にするアケビのツルをとる。採りすぎないように、来年ここで、アケビが食べられるように、 部分的にいただきました。社会教育課長の寺内さんも、生活学芸員でした。

IMG_0331 IMG_0094 IMG_0075 

生き物調べと、狩猟採取。もちろん、野菜、大豆、そば、米も自分で収穫。

IMG_0081 IMG_0137 IMG_0147

自然学校の出川君と美帆ちゃん。作業後は、食の教室。地元素材100%を料理しました。

IMG_0169 IMG_0247 IMG_0361

今日は、大豆が主役。お豆腐、おからのハンバーグ、豆乳の野菜汁、おからのドーナッツ。

 IMG_0051 IMG_0048IMG_0330

2haのそば畑で、3トンを超えるそばを栽培。おそば屋さんが、そば道場で、そばを打ってそのままいただきます。宿泊は、 民泊とヨソモン交流会館。これも佐渡をちゃんとまねしてくれています。

IMG_0333  IMG_0364   IMG_0373

帰りの車窓で、出川君のお友達の和江さんは、生き物に夢中。最後は、今後のビオトープの展開や、ツーリズムの方向、 村づくりの方向を確認して、2泊3日の戸沢滞在から帰ってきました。

現地で私達の案内をしてくれたのは、出川真也君と、戸沢村の阿部教育長、教育委員会の寺内課長、村民会議をはじめとする、地域の方々、 百数十名でした。出川真也君は、東北大学の学生で、平成13~14年にかけて、たびたび佐渡のヨソモンセンターに来て、 本人の研究活動の一環として、集落調査の手伝をしてくれた青年です。また、同時に、さまざまな地域を出川君には見てもらいたいと思い、 福井県や愛知県美浜町、全国の森里川海のネットワークなど、 先進的な取り組みをしている人と地域との交流を合わせて進めています。

私が、戸沢村にはじめて訪れたのは、農文協から発行された現代農業臨時増刊号「地元学は地域を変える」(平成13年5月) がきっかけでした。この本の中に、佐渡での取り組みの紹介や、山形での小学校版地元学の実施例を書いていたのを見て、 戸沢村から講演を頼まれたことが、この村との最初の出会いです。その翌年、平成14年、戸沢村で、村からの依頼で地元学を実施しました。 そこから出川君が合流して、その後も、地域の中で、きめ細かな地元学を、常駐しながら実施してきました。その翌年の平成15年、 小峰書店から里地ネットワークへ、小学校を舞台に、里山の暮らしや自然の四季を取材して、 図書館に治める本を作りたいという相談がありました。農文協の地元学の本を書く際に、 学校での取り組みを一緒に書いて頂いた斉藤校長先生のいる戸沢村ならば、この依頼にこたえられるに違いないと思い相談したところ、 村の4つの小学校を舞台に、順次、四季の取材を行い、全体を通して戸沢村の1年を記録するという方法をとることとなりました。

この本の取材のために行ったのが、戸沢里地塾です。年4回のプログラムのコーディネーターは、4つの小学校の校長先生と、 戸沢村民会議の十数名の勇士たち。この村民会議と教育委員会の連携こそが、教育長と社会教育課長が、 数十年かけて育ててきた戸沢村にしかない、地域と学校が連携して、学校教育と社会教育を押し進める体制でした。戸沢里地塾は、 この連携体制の強さを証明する絶好の機会になりました。およそ1年半の取材を終えて、平成16年春、守山弘先生の監修を終えて、 無事本は出版されました。本の名前は、 「里山―人と林がつくる自然    身近な自然でふるさと学習」です。この本は、 全6巻の身近な自然でふるさと学習の1冊です。

この本の完成と時期が重なるように、環境省では、読売新聞と共催して、日本の里地里山30保全活動コンクールを行いました。この30団体に、 里地塾をきっかけに戸沢村で行った地域活動は、見事コンテストで入賞しました。この間に、4つの地域の内の一つで、 出川君の常駐調査を受け入れてくれたのが、角川地区(地区住民1200人)で、地区の中心である本郷集落を核にしながら、 順次周辺地区に地元学が広がっていきました。角川里の自然環境学校は、住民から支持され、今では、200人近い高齢者の方々が、生活学芸員、 生活職人のような風合いで、自然学校の、山、川、里、 食等の先生役として、活躍しています。

さらに本年、田園自然再生活動コンクール(農林水産省・ 農村環境整備センター)に応募し、審査委員会審査を経て受賞が決まりそうです。審査委員会では、特に、守山先生から、ビオトープづくりが 「メダカ」や単独の種を中心とする偏った保全に向かわないように、地域の自然環境そのものをきちんと見つめ、 自然の中の生態系そのものを保全して欲しいというコメントをいただきました。また、現地調査を行った浜本委員からは、現在はまだ、 さまざまな取り組みが構築中という段階だが、18年度からこれまでの基盤をベースとした体験型のツーリズムを実施し、特に、 これまでの学校教育、社会教育の成果を生かした若手人材の雇用の道を開くならば、大いに期待できるというあついエールを頂きました。 この賞は、11月中旬頃正式な審査結果が発表される予定です。

地元学、生活学芸員、生活職人、地産地消、食の掘り起こし、里地里山の文化を祖父母の代から孫の代へ直接伝える、そして、 里地里山の文化を軸とした地域内雇用。戸沢村では、これから三年、私達が待ち望んでいた一つの理想的な循環・共生・ 参加型の社会モデルの一つが形づくられそうな気配を感じます。

 

2005年11月10日 | 里の再生