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藤原ファーム 近藤正治 【2005/09/03】

●自然再生の思想や知恵

三重県いなべ市藤原町古田地区は地域農業の殆どが米作という典型的な山間集落です。 その中で藤原ファームは平成8年に集落の合意により、地域の農業の担い手として設立されました。そして、地域の農業を守る活動だけでなく、 自然保護の活動として、地元有志も加わって「ほうすけクラブ」を結成し、都市住民との交流活動を通して、地域の美しい自然と空気と水、 山野をみんなで守り、地域の人だけでなく、都会の人も藤原の自然の良さを享受できるように取り組んでいます。
環境問題が取り上げられるようになって何年も経ちますが、その現実を見ない中で、また、 そこでの生活を体験しない中で話をすることが多いように思います。都会で建物の中にいながら、『農業はだめだ』とか『森林を守ろう』とか。 口で言うのは簡単ですが、実際に山間部に住み、林業の停滞から里山が加速的に荒廃化していくのを目の当たりにしていると、そこに山があり、 川があり、農地があり、それをどう守っていくか、どう自然を保護していくか、また、 どう自然と共生しながら農業で経営を成り立たせていくかと、机上ではなく、現実の中で考えていかなければなりません。 現実問題として農業経営と環境保全を両立していくことはとても大変です。環境保護を訴える人々は『化学肥料はだめだ』とか『農薬を使うな』 などと言いますが、現実に集落の広い農地を守っていき、そのことで経営を成り立たせていこうとするととても大変なことです。

例えば、地元の小学校では蛍の幼虫を飼育して観察しています。そのおかげで古田地区では農業排水路でも蛍が飛び交います。でも、 そこへは農薬を使用した水田の水を流すことになります。子供たちが一生懸命観察している蛍ですから、 私たちも蛍が減るような環境を作ってはいけないと思っています。しかし、農業を守っていくためには草が生えたら除草剤が必要です。そのため、 現在、有機無農薬の稲作りも研究しています。ほうすけクラブでもいろいろと議論になるところです。農地を守り、経営を成り立たせることと、 自然環境を保護することをどう両立させていくかが大きな課題です。
私は、その地域に住む人たちだけが自然を守る活動に取り組めばいいとは思いません。この地域を訪れてきれいな空気、 美しい自然にふれる人たちも自然を守っていこうという活動のサポーターになって、『自然からの様々な恩恵を受ける人、みんなで守っていこう』 という形で取り組んで行くべきだと思います。


●技術や手法
集落の農業を守る活動と都市住民との交流活動である、グリーンツーリズムを単なる都市と農村の交流活動でなく、 ビジネスとして成り立たせるようにしました。その一つが農業で生産した地元のお米を草餅に加工して販売する店「えぼし」 を藤原ファームの直売店として作り、そこで地元の農産物も販売するようにしました。お客様は、『空気がおいしい』、『水が美しい』 という自然の良さとおいしい地元の農産物、加工品を求めて店を訪れてくれます。都会の人との交流活動では、蕎麦打ちやしめ縄つくり、 田植え体験などの体験交流活動に加えて、地域の里山に遊歩道を整備し、「里山自然観察会」やカタクリの花、山桜、笹百合、 山あじさいと言った四季折々の山の植物を楽しんでもらっています。また、ビオトープを作り、壊れつつあった生態系を復活させたりと、 さまざまな里山保全活動を行っています。このような取り組みによって直売店へのリピーターとなるお客様をつくり、 その人たちが自然を守っていこうという活動のサポーターになって地域の人と共に取り組んでいます。

近藤

 

 

 

 

 

 

詳細は、PDFファイルでご覧いただけます。

kondou.pdf - 102.7 KB

 

2005年09月07日 | 里の再生