鳥獣・ヤマビル対策としての里山整備(北地区羽根)平成18年1月28日

日時 平成17年1月28日(土)9:00~15:00
場所 北地区羽根、里山ふれあいセンター

内容
12月3日に草刈をした現場で、本番の落ち葉かきを行いました。
参加者は、地元生産森林組合、町づくり委員会、一般ボランティア、ボランティア研修受講生、市の「環境大学」受講生等、 総勢230人余が集まり、試行事業で最大の人数となりました。中には学校の先生と生徒が一緒に参加しているグループや、 これまで連続で参加している近隣大学の学生の姿も多数みられました。

前回同様、A~Dの4つの班・区画に分かれの作業。絨毯のように敷き詰められた落ち葉を見て、地元の方からは「これはいいクズだ」 との声が聞かれました。
それぞれの現場で地元の方から説明と指導を受け、高いところから落ち葉かきを開始、集めた落ち葉は、1.2m×1mの網袋に詰め込み、 トラックに載せて搬出しました。ポイントは、袋に入れる前に足元で落ち葉のカサを減らしながら詰め固めることで、これを「ちげぇる」 というそうです(「ちぎる」の意?)。

作業DSCN3346 掻くDSCN3326
 掻くDSCN3352 大勢DSCN3364
詰めるDSCN3324 転がすDSCN3350
【集めた落ち葉は詰めた転がして集積】

人数がとても多く、また前回の草刈りのおかげで作業はスムーズに進み、網袋の供給が追いつかなくなるほどでしたが、 12時過ぎには大方目処がつきました。お昼 には温かいトン汁が振る舞われ、午後、 地元の生産森林組合員等と一般ボランティアが落ち葉掻きの仕上げと片付けを行い、 ボランティア養成研修受講者は今後の活動について打ち合わせ、環境大学受講生は次のプログラムの実施場所へと向かいました。

集めた落ち葉は、里山ふれあいセンター脇の空き地に集積してあり、農家などが持ち帰ってよいことになっています(落ち葉は無料、 網袋は200円のデポジット制)。資源の利用が里山整備を促進する鍵となるので、大いに利用してほしいものです。
集めた落ち葉DSCN3376集まった落ち葉DSCN3398

尚、今回、約100本のくま手を使いましたが、10月・11月のくま手つくり教室で参加者らが作ったものも利用しました。中には、 初めての作品だったのか途中で分解したものも見られましたが・・。秦野の竹利用のためにも、丈夫なくま手が市民の手で沢山作られるよう、 こちらの教室も継続していきたいものです。


さて、この落ち葉かきは「鳥獣害・ヤマビル対策としての里山整備」ということで実施しています。実はこの日、 開会式前に鹿が一頭現れてしまったのですが(200人以上の人間を恐れる様子もなく!)、この試行事業の主要な目的は、 藪を払い落ち葉を掻くことが、鹿やヤマビル対策としてどの程度有効かを検証することです。
そのため各区画には、
(1)落ち葉かきをして搬出する区域
(2)落ち葉かきをして集めた落ち葉を残しておく区域
(3)落ち葉かきをしない区域
を設け、その他に一箇所、
(4)ヤマビル撲滅区域
を設けています。
各区域の区別はそれぞれの班長から指示があり、②の区域では、前回(12月3日)刈り草を利用して準備した堆肥場に落ち葉を集積しました。 また④の区域でも落ち葉かきと搬出を行いました。

下正面前DSCN3307 下正面後DSCN3371

下左前DSCN3308下左後DSCN3372

 左:作業前、右:作業後】

残す区域と掻く区域DSCN3385 堆肥場DSCN3378

【残す区域と残さない区域】【掻いて残す区域の堆肥場】

専門的な調査の指導をお願いしているヤマビル研究会の方も参加なさいました。同研究会の谷博士によると、 他の対策事例では薬剤を使用することが殆どで、秦野のように環境整備のみで対策を行うのは他には例がないとのこと。そこでこの現場では、 草刈り・落ち葉かきによってヤマビルの生息環境がどのように変化するかを調べるため、 定期的に林床の湿度と温度を計測しているとのことでした。
ヤマビル研究会には、平成17年9月からお世話になっていますが、この作業を経て今年の5月頃に再びヤマビル生息調査を実施し、 効果を検証する予定となっています。

2006年01月30日 [レポート]

Copyright 里地里山保全再生モデル事業 神奈川秦野地域 事務局(お問い合わせは里地ネットワークまで)
 Powered by Movable Type 3.151-ja

バナー
バナーは自由にお使いください。