軽井沢駅信越本線1番ホーム鉄道軌道跡の店
長野新幹線の軽井沢駅に隣接する食堂に入った。
店舗に入るやいなや、階段があり、客席は、階段を数段降りるとあった。厨房は、途中の半地下的な場所である。
新しくできた新幹線軽井沢駅に隣接していながら、建物も、壁も床も、テーブルも何もかも
古めかしいものだった。メニューは、峠の釜飯と釜飯定食。
そうここは、かつて横川駅にあった荻野屋だった。
テーブルは、多分、荻野屋の店舗にあったもの。壁をよく見ると、信越本線1番線ホーム跡と表示されている。客席は、線路の高さにあり、
先ほど降りた階段は、ホームへ降りる階段、そして、線路へ降りる階段だった。
改めて、窓の外を見ると、線路がある。隣のホームは、現役のしなの鉄道のホームだった。
信越線が廃線になった跡の1番ホームの再生活用だ。
私が、ホーム跡の写真を撮っていると、周囲で食事をしていた人々も、建物に気づき、古い道具や窓の外の風景に指を指しだした。
かつて、横川駅を旅した人、この軽井沢へ信越線に乗って来た人ならば、
いくつもの思い出があるに違いない。まだまだ若いつもりだが、45才になるまでにずいぶんと旅をしてきた。ふと、
なつかしさに浸った瞬間だった。
普段は農村で感じている感覚が、駅や店舗で感じたのは、多分、駅舎という旅の途中に立ち寄る特別な空間だからだろう。
そういえば、4年ほど前、早稲田大学の研究室と協力して、建築再生事例集の発刊を行った。情報はだいぶ古くなったが、今でも、 里地ネットワークのサイトにデータベースとして掲載してあるので、是非ともご覧頂きたい。
秋田県の蔵を改造して作った喫茶店MOMOをはじめ、訪れたくなる建物がたくさんある。全国各地には、古材を使った店舗や、
茅葺き民家の再生など、その後もさまざまな再生が行われているのを見聞きすると本当にうれしいものだ。
今後とも、残せるものは、残してゆきたいと改めて思った瞬間だった。
2005年10月06日 [竹田の公開メモ]