佐渡の水田と生き物。トキの野生復帰とビオトープ水田
5月23日 トキの野生復帰連絡協議会で、福岡の宇根豊さんをお招きしました。場所は、佐渡市野浦地区の水田です。 田んぼとその周辺の生き物調査を行い、環境調査の方法、佐渡型の調査シートのあり方、水田の栽培履歴の付ける意義等のセミナーを行いました。
既 に、琵琶湖を抱える滋賀県や宇根さんの住む福岡県では、環境保全型の水田で、水田の栽培履歴をつけいること、 生き物調査を行うことを前提として、環境調査費用の一部を、県やNPO団体等が負担して試行的に取り組んでいます。水田が、 お米を生産する場所として、収量や効率のみが評価されるのではなく、生き物や文化を守り育ててゆく場所へと転換することで、 生物多様性や私たち日本人の原風景、文化を保全することができます。写真は、このセミナーのようすです。
この野浦地区でのセミナーの後、 高野毅さんの生椿のビオトープや水田を見に行きました。ちょうど、5月の小雨の前後の水田では、モリアオガエルが一斉に、 高野さんの水田とその周囲の畦や木々に集まっていました。一度に数十匹のモリアオガエルと出会え、さらに、 産卵シーンにも出くわしました。私も、宇根さんも里地のスタッフも初めての経験で、思わずその場に釘付けになってしまいました。
手をいれ、守り続けていた水田では、このような生き物たちに出会えるのかと、東京に戻ってきた今でも、 とても大きなモリアオガエルの感触が忘れられません。
[2005年05月27日 竹田の公開メモ]
ゲンゴロウ。出会えた喜び、生き物調べ
ゲンゴロウは、昔どこにでもいたけれど、最近は、滅多に出会えません。
昨年は、ゲンゴロウとの出会いが良くて、北海道当別町、山形県戸沢村、福井県武生市の3カ所で、運良く出会えました。 写真がとれたのは、北海道と山形だが、どうしてみんなが、ゲンゴロウ、ゲンゴロウと騒ぐのか、その秘密は、出会えてはじめてがわかりました。
水生昆虫の中では、まれに見る美しさ、ほれこんでしまいそうな、容姿だったんだと。福井大学の保科先生が、 ゲンゴロウを守ろうといっても、一般の人から見ると、ゴキブリに似ているから、協力が得られにくいとか、聞いていましたので、 やはり出会えて、手に触れて見ないと、わからないものですね。

北海道当別町で見つけたゲンゴロウ。水草のある深い水路で見つけました。
山形県戸沢村の深い自然の溜池で見つけたゲンゴロウ。
ガムシとの明確な違いは、足ひれです。ガムシは、カブトムシやコガネムシと同じ足をしていますが、ゲンゴロウは水かきの足です。
北海道で、水路に帰すさいに、太陽の光を受けて輝きを見せてくれました。
同じくめったにあえないタガメですが、まだ、写真に収まっていません
小型のゲンゴロウや、ミズカマキリ、タイコウチには、よくあえるけれど、大型のゲンゴロウとタガメは、ほんとうにあえません。
大型の生き物が生息できるためには、溜池や水路の土壌、微生物、珪藻類、小型の水生昆虫などが豊富に生息していて、 食物連鎖がしっかりできあがっていないと、だめなわけです。
人間をのぞく全ての生き物は、他の生き物のために存在しあっていて、どれか一つが絶滅するということは、それを支える生き物たちと、 そのいなくなる生き物が支えていた生き物たちが、いなくなってしまうことを意味するんですね。
このように変化したのは、生き物の中で唯一、他の生き物のために存在していない、ヒトの行動によるものです。
田んぼや水路、溜池を見て、どの生き物が、生きてこられたかは、まさに、生態系の豊かさの尺度、自然度を、 あらわしています。
できるところから、もう一度、生き物とともに、ヒトが生きられるように、変えてゆく、そのために、 できることからみんなもやってみませんか。
だからというわけではないのですが、私は、水辺へ行くと、つい、タモアミや釣り竿をいれて、生き物調べを始めてしまいます。 習性というか本能というか。ただ見ているだけだと、ストレスがたまってしまうような遺伝子をもった。種のようです。
でも誤解しないでくださいね。生き物をとって、絶滅させたり、移入種を放して、そこの生き物を絶えさせるような方法での、 生き物調べや、つりはダメですよ。かえって、絶滅させてしまいますので。
生き物調べをして、どうしたらもっと、生き物が増えるのか、みんなもやってみませんか。すっごく、楽しいですよ。さかなつりも、 生き物調べとして行うと、立派な調査だと思います。(遊びすぎの言い訳!)
でも、一人で行うと危険なこともあるし、カメラを水の中に落としてしまうこともあるので、みんなで、行いましょう。
(写真は、ゲンゴロウがいた戸沢村の溜池)
[2005年05月26日 竹田の公開メモ]
アカヒレタイビラと水路
昨年の夏、戸沢村の溜池で、アカヒレタビラに出会いました。
尾びれが、赤く染まっているのが特徴です。
昔よく、千葉県の印旛沼の水系や、埼玉県の越谷や春日部で、ヤリタナゴをとりましたが、あのころは、本当にたくさんいました。 当時から、タイリクバラタナゴは、大きな用水路にいましたが、今は、そのタナゴのみが、残り、国内にいた他の種類のタナゴが、 いなくなったのは残念です。
一昨年は、新潟県の笹神村でも、アカヒレタビラに出会えましたが、ニホンバラタナゴや、ヤリタナゴには、滅多にあえません。
[2005年05月25日 竹田の公開メモ]
里地里山全国大会(美浜町)報告
愛知県美浜町で、全国里地里山大会が、5月14・15日行われました。
里地里山30選に選ばれた、「戸沢里地塾」「里山クラブ どんごろす」、開催地である「布土まちづくり委員会」の団体活動発表も行われ、
560人の会場は収まりきれない状況でした。夜の交流会、2日目のエクスカーションと、美浜町の奥深さを改めて感じました。
基調講演では、CWニコルさんの里山への思いをお聞きしました。
私たち日本人が、自分たちの自然を守るために言わなければいけないことを、日本人に代わってニコルさんが、マスコミや行政に伝え、
黒姫をはじめとする森を守ってきたことなど、これまで体験してこられたたくさんのお話を直接お聞きしました。美浜町は、海があり、森があり、
食文化があるために、ニコルさんのお話は、場内に完全にとけ込んでいました。
その 後、里地里山30保全活動コンテストの受賞地の写真紹介と活動概要の紹介を、里地ネットワークの小関緑が行い、引き続いて、 活動地域を代表して、山形県戸沢村と熊本県宮原町の2団体にお願いしました。
「角川里の自然環境学校(戸沢里地塾)」山形県戸沢村
・集落全体による地域ぐるみの活動
・こども子供への環境学習の充実等の紹介を行いました。
「里山クラブ どんごろ」熊本県宮原町
・里地公園の管理(竹林整備、炭焼き等)
・里山暮らしの学校(田、畑、山)による体験学習の紹介を行いました。
その後、美浜町の里山の今昔と現在の活動報告がありました。
30団体内にひとつ「布土まちづくり委員会」愛知県美浜町の発表です。
・里山ハイキングの実施とコース整備(間伐、草刈り)
・炭焼き、メダカ池管理、ササユリの再生
この他、大会にお越しいただいた団体
「サギ草王国」福井県武生市
・サギソウの再生(保護増殖)を通じた地域づくり
・湿地の保全、サギ草祭りによる普及啓発
「NPO法人宍塚の自然と歴史の会」のメンバー茨城県土浦市
・専門家と連携した生態系調査
・多様な環境を持つ里地里山の維持管理
「トキの野生復帰連絡協議会」のメンバー新潟県佐渡市
・トキの野生復帰に向けた生息環境の再生
・佐渡全域での一体的な取り組み"
2日目のエクスカーションと大会前に、美浜町の散策を行いました。
平成10年の地元学開催後に、布土で始まったドラム缶式の炭窯が、ドラム缶から電気温水器の容器に代わり、現在まで、役場の一部支援 (1基15,000円程度)で構築したものが35基、その他個人で設置したものをいれると、 いくつになるかわからないと役場の方が言っているほどの窯があります。この窯は、野間の窯です。

窯の横には、火入れ後の時間を活用したり、竹の切り出しなどの作業を通じて、ビオトープや里山の遊び場づくりが行われています。 この写真は、九十九のカラス窯横のビオトープです。

このビオトープの横には、古い土塀の小屋がありました。この小屋で、竹の威力を改めて知りました。竹が小屋に入り込み、壁を破り、
屋根を貫こうとしています。

美浜町は、里海の町でもあります。塩を里山に広がる竹の枝で、水分を乾燥させ、濃縮した塩水を窯で煮込み塩づくりを始めました。

里海の豊かさは、初心者でも、すぐにつれる海の豊かさでわかりました。写真は、塩の館のすぐ間近にある野間漁港の防波堤です。 潮干狩りや町民の森(里山散策コース)も整備されていますので、一度訪れてみてください。
[2005年05月21日 レポート]













